各位
IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース
2010年1月末に、IPv4アドレスのIANA在庫(中央在庫)が、 とうとう10%を切りました。 これにより、NRO(Number Resource Organization)や、 アジア・パシフィック地域でIPアドレスの管理業務を行うAPNIC(Asia Pacific Network Information Centre)からもアナウンスが出され、 IPv4アドレス在庫枯渇の広報キャンペーンが全世界的に本格化しています※。
日本でこの問題に積極的に取り組んでいる 「IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース」でも、 IPv4アドレス在庫枯渇の克服に向けて、皆様に以下のような情報・機会を提供しています。 今後に向け、各自の自発的な対応を切にお願いするとともに、 その過程で、ぜひ以下もご活用いただきたく、お願い申し上げます。
- (1)日本における各事業者のアクションプラン
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「ネットワーク関連(ISP)」「ネットワーク関連(iDC)」
「サービス(ASP/CSP)」「企業ユーザー関連(官庁/自治体等を含む)」
などの方に役立つ、推奨「アクションプラン」を公開しています。
- ○IPv4アドレス枯渇対応アクションプラン2009.10版
- http://kokatsu.jp/blog/ipv4/event/ipv4kokatsujp-2010-actionplan_20091005.pdf
- (2)IPv6検証環境のテストベット(無料)
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full routeのIPv4/IPv6インターネットコネクティビティとマルチホーム環境を備えた、
IPv6検証環境のテストベットです。
テストベッド内で自社の環境を再現し、IPv6への移行手順を検証したり、 テストベッドにある機材を利用し、 IPv6移行への手順やLSN等の技術を試験するなどという用途でご利用いただけます。http://kokatsu.jp/blog/ipv4/news/2010/01/ipv6testbed.html
- (3)Global IP Business Exchange 2010 開催
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2010年2月23日(火)、ベルサール神田にて、
IPv4アドレス枯渇対応タスクフォースも協力している
「Global IP Business Exchange 2010」が開催されます。
これは、「IPv6」にフォーカスした国内唯一の大型イベントで、
「Global Business セッション」と「枯渇対応 Business セッション」
の2部構成となっています。
http://ip-bizex.e-side.co.jp/
※
NROプレスリリース
Less than 10% of IPv4 Addresses Remain Unallocated, says Number
Resource Organization
(「未割り振りのIPv4アドレス、10%を切った」とNROが声明)
- リンク
- http://www.nro.net/media/less-than-10-percent-ipv4-addresses-remain-unallocated.html
- 概要
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世界で五つある地域インターネットレジストリを代表し、
またそれを監督する組織でもある「番号資源機構(NRO)」は、
IPv4アドレス在庫枯渇問題に際し、
インターネットオペレーションを行う全世界のビジネスや組織に重大なインパクトを与える内容であるとして、
「未割り振りのIPv4アドレスが10%を切った。
このことはグローバルなインターネットの成長と発展における重要な節目である」と声明し、
政府、ベンダー、企業ユーザー、通信事業者、
エンドユーザーなどの全てのインターネット関係者に
IPv6の導入と普及を呼びかける内容となっている。
特に、以下の呼びかけを行っている。
- (通信事業者)ビジネス部門は、IPv6のユーザーに向けた、IPv6通信が可能なサービスとプラットフォームを提供すべきだ
- ソフトウェア/ハードウェアのベンダーは、自社製品でIPv6のサポートを実装すべきだ
- 政府は、自身のコンテンツとサービスをIPv6対応とし、自国のIPv6の普及を促進すべきだ。政府調達仕様におけるIPv6の要件を明確化すべきだ
- 組織やエンドユーザーなどの市民社会には、今後数年間で来るべき状況に備え、ISPやベンダーにIPv6対応を要求して欲しい
APNICプレスリリース
IPv6 indicator to business leaders is clear
Less than 10% of IPv4 addresses remain unallocated
(ビジネスリーダーへのIPv6指南: 未割り振りのIPv4アドレス、10%を切る)
- リンク
- http://www.apnic.net/__data/assets/pdf_file/0004/16933/Press-Release-APNIC-10-Final_all-economies.pdf
- 概要
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「ビジネス運営をインターネットに頼る組織が、
技術の変化に対応し行動するには余り時間が残されておらず、
今これをしなければ、
急速に増加する人口に耐えられず自社のオンラインサービスをリスクにさらすだろう。」と述べて、
NROのアナウンスと同様、
インターネット関係者にIPv6の導入と普及を呼びかける内容となっている。
特に、APNICのチーフサイエンティストであるGeoff Huston氏は、 "45億アドレスのうち、4億アドレスが残りとなったことは、 2009年にアジア太平洋地域でインターネットにつながる携帯電話がどれだけ出た かを考えても、 インターネットの成長にとって危険水域"と警告を発し、 事務局長のPaul Wilson氏も"産業界のリーダーが、 在庫枯渇がいかに自身の事業に影響を及ぼすかのリスクを評価し、 IPv6成長の潜在力の変化に適応するかが重要だ"と述べている。